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2026.10.02

ファクタリング契約に潜む危険性

お世話になります、スマートヘッジの中村です。

今回も、皆様の資金繰りや経営に役立つ知識をお届けすべく、コラムを執筆いたしました。少々お時間をいただけますと幸いです。

今回のテーマは、「ファクタリング契約に潜む危険性」についてです。具体的には、一部のファクタリング業者が使用している「契約書一式」の中に潜む注意点についてお話しします。

他社と現在お取引のあるお客様、また過去にお取引のあったお客様の契約書を拝見させていただくと、各業者がそれぞれの解釈で、実に様々な形式の契約書を用いていることがわかります。

1.そもそもファクタリングとは?(基本の確認)

一般的に、銀行融資やノンバンクの貸付などの金融取引では、リスク(主に回収不能リスク)が高くなるほど金利が上がります。融資元は回収リスクを極力抑えるため、事前に不動産、連帯保証人、商品在庫などに担保設定するのが通常です。完全に無担保での貸付は、企業や代表者によほどの信用がない限りあり得ません。

では、ファクタリングはどうでしょうか?

金銭の貸し借りと混同されがちですが、ファクタリングは「金銭の貸し借り」ではなく「債権の売買」です。そのため、本来的には「担保」という概念が存在しません。

現在のファクタリングは、基本的にノンリコース(償還請求権なし)契約が主流です。これは、売買対象である売掛先の倒産リスクをファクタリング会社が引き受けて買い取る仕組みです。そのため、手数料も主に「売買対象となる売掛先の信用度」によって変動します。

メリット:売掛先の支払日を待たずに即座に資金化できる。万が一、売買後に売掛先が倒産しても、その回収リスクはファクタリング会社へ移転する。

デメリット:手数料が融資等に比べて高額になりやすい。銀行や売掛先にファクタリングの利用を知られ、取引停止となる可能性がある。

ここまでは一般的な知識ですが、問題は「契約書の中に密かに盛り込まれた条件」にあります。

2.他社の契約書に見られる「2つの大きな危険性」

弊社にお申し込みいただいたお客様が、過去に他社で交わされた契約書等を拝見すると、弊社ではあり得ない契約内容が設定されているケースが散見されます。

それが、「連帯保証人」と「譲渡担保契約書」です。

通常、ファクタリングのメインとなる契約は「債権売買契約書(弊社ではインボイスPay契約書)」であり、こちらは各社大きな差はありません。問題は、二者間ファクタリングの際に附帯して締結される「業務委託契約書」や「集金委託契約書」(売買した債権の回収をファクタリング業者がお客様に委託する契約)の内容にあります。

危険性❶:業務委託契約への「連帯保証人」の設定

本来、ファクタリングは売買であるため保証人や担保は不要です。しかし、一部の業者は業務および集金を委託したお客様個人や第三者を「連帯保証人」に設定しています。

これは、「売買対象の売掛金が集金できなかった場合、その損害額をお客様の法人資産だけでなく個人の資産からも回収する」という意味を持ちます。

以前のコラム(2026.9.16「売掛先からの支払いが遅れた場合のファクタリング会社の対応」)でも触れましたが、売買後の回収不能がお客様の責任でない場合であっても、「連帯保証人」になってしまっていると、法人資産だけでなく連帯保証人の資産に対しても容赦なく回収手続きが進められてしまう危険性があります。

危険性❷:「譲渡担保契約書」の締結

より深刻な問題となり得るのが、この「譲渡担保契約書」の存在です。

通常、ファクタリング業者が業務および集金を委託したお客様が、何らかの理由により売掛先から集金できなかった場合、本来はお客様の責任なのか、売掛先の責任なのかを切り分けて対応を検討します。

お客様の責任の場合:代替案の模索、もしくは民事・刑事訴訟の手続き

売掛先の責任の場合:直接の請求から民事訴訟の手続き

いずれにしても膨大な時間と手間がかかり、全額の回収も困難なことが多くなります。

ファクタリング会社はこのリスクを極端に嫌います。そこで、契約時にあらかじめ「他の債権に対する譲渡担保契約」を交わしておくのです。

これを行うことで、万が一回収困難な状況に陥った際、ファクタリング業者は売買対象ではない「会社のすべての売掛先への債権」からも優先的に回収できるようになります。お客様からすれば、自身の過失でないにもかかわらず、会社のすべての売掛先に対して回収されるリスクを負うことになります。

3.なぜ弊社には「連帯保証人」や「譲渡担保契約書」が無いのか?

スマートヘッジの契約には、「連帯保証人」も「譲渡担保契約書」も一切存在しません。

その理由はシンプルです。担保や連帯保証人を取って行うファクタリングは、実質的に「貸金業(融資)」と変わらないと弊社は考えているからです。

ご承知の通り、資金の貸し付けを行う金融事業には「貸金業登録」が必要です。いくら表面上「債権売買(ファクタリング)」と謳っていても、実態が回収リスクを負わない貸し付けに近い形になっていては本末転倒です。それは「お客様目線」ではなく、自社の回収リスクを排除したいだけの「業者都合の契約」でしかありません。

また、保全を強化することは自社の審査能力が低いこと、リスクが大きくても売上げのために無理な買取りをする売上げ至上主義の証明でもあります。

スマートヘッジは純粋なファクタリングのプロとしてのプライドがありますので、保全を強化するという短絡的な経済活動よりファクタリングをお客様の身近なサービスにするために、一つひとつの業務にこだわり続けるとの理念があるため「連帯保証人」や「譲渡担保契約書」は一切ないのです。

4.契約前に必ず確認していただきたいこと

ファクタリングを利用する際、どうしても「手数料の安さ」に目が向きがちですが、本当に注意しなければならないのは「契約書の内容」です。

内容をよく確認せずに契約してしまうと、会社が積み上げてきた信用や資産だけでなく、大切な個人の資産まで失ってしまう事態になりかねません。

ファクタリングをご利用される際は、弊社を含めどの業者であっても以下の点を徹底してください。

① すべての契約書の隅々まで目を通す。

② 不審な点や理解できない文言があれば納得いくまで質問する。

③ 契約内容に納得・安心できない場合は絶対に契約しない強い意志を持つ。

弊社とご契約いただく際も、担当者にしつこいと感じられるくらい納得いくまでご質問ください。安心してご利用いただける環境を整えてお待ちしております。

皆様が不適切なファクタリング契約によって不利益を被ることがないよう、心より願っております。

それでは、また次回のコラムでお目にかかりましょう。最後までお読みいただき、ありがとうございました。