2026.09.25
【上場を目指す決意と、これからのスマートヘッジ】
平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
スマートヘッジ株式会社代表取締役の沢田です。
私はもともと、人前に出たり、自分自身について発信したりすることを得意としておりません。しかし、このたび当社は、株式上場を目指して歩んでいくという方針を社内で共有いたしました。
上場を目指す以上、これまで以上に社会から信頼される企業でなければなりません。また、当社が何を大切にし、どのような未来を目指しているのかについて、私自身の言葉でお伝えすることも、経営者として果たすべき責務の一つであると考えています。
そこで今回、当社のこれまでの歩みと、経営に対する考え、そして今後の目標についてお話しさせていただきます。
当社は2018年に事業を開始し、来月で第8期を終えます。今日まで事業を継続できましたのは、お客さま、お取引先さまをはじめ、当社を支えてくださった皆さまのお力添えがあってこそです。改めて、心より御礼申し上げます。
私自身が金融業界に身を置いてから、早いもので25年が経過しました。
この間、金融業界は大きく変化してきました。かつては過度な貸付けや厳しい取り立て、金利をめぐる問題などが社会的に注目され、法改正や司法判断を契機として、業界全体に大規模な再編が起こりました。多くの事業者が統合や撤退を余儀なくされ、金融サービスを提供する企業の責任が、改めて厳しく問われる時代となりました。
私は、こうした業界の変化を現場で見てきたからこそ、金融に携わる企業には、法令を遵守することはもちろん、その先にある「お客さまにとって本当に適切か」「社会から見て公正であるか」という視点が欠かせないと考えています。
金融は、人や企業の可能性を支える力を持つ一方、そのあり方を誤れば、大きな負担や不安を生むこともあります。だからこそ、短期的な利益だけを追うのではなく、誠実さと透明性を持って、一つひとつの判断を積み重ねていかなければなりません。
この考え方は、私が金融業界で経験を重ねる中で培ってきたものであり、スマートヘッジの経営においても大切にしている姿勢です。
当社は創業以来、決して平坦ではない道のりを歩んできました。社会情勢や市場環境が大きく変化する中で、その都度、自分たちが果たすべき役割を問い直し、事業と組織の改善を続けてまいりました。
その中で、当社が特にこだわってきたものの一つが、お客さまにご負担いただく手数料です。
手数料を抑えながら、質の高いサービスを継続して提供するためには、単に利益を削るだけでは十分ではありません。事業運営そのものを効率化し、無駄なコストを生まない経営体質をつくる必要があります。
私たちは、会社の規模を大きく見せるために、必要以上に大きな事務所を構えたり、いたずらに人員を増やしたりする経営を志向していません。
会社を大きくすること自体を目的にすれば、固定費や管理コストが増加します。そして、その負担は最終的に、手数料やサービス価格という形でお客さまに転嫁されかねません。それでは、本当の意味でお客さまのための成長とはいえないと考えているからです。
当社が目指しているのは、組織の大きさではなく、一人ひとりの生産性と、提供するサービスの質によって評価される会社です。
従業員一人ひとりが高い専門性を身につけ、従来であれば多くの人員を必要としていた業務を、少数精鋭の組織で正確かつ迅速に遂行できる体制づくりを進めています。
その実現に向けて、当社はAIをはじめとするデジタル技術を積極的に導入しています。人にしかできない判断や、お客さまへの丁寧な対応に力を注ぐ一方で、定型的な作業や重複する業務については、可能な限り自動化・効率化を図っています。
ただし、AIを導入すれば、それだけで効率的な会社になるわけではありません。テクノロジーを活用する側の知識や判断力が伴って、初めて大きな成果につながります。そのため当社では、限られた人員で高い成果を生み出せるよう、従業員教育にも力を入れ、専門知識と業務品質の向上を徹底しています。
電子契約についても、当社は業界内で比較的早い段階から導入し、契約手続きに要する時間や事務負担、書類管理にかかるコストの削減を進めてまいりました。
これは、単に紙をデジタルに置き換えるだけの取り組みではありません。
「この手続きは本当に必要なのか」
「もっと分かりやすく、速く、安全にできないか」
「これまでの商習慣を、そのまま続ける必要があるのか」
こうした視点から、業務の流れそのものを一から見直す取り組みです。
業務改善は、一度行えば終わるものではありません。当社では現在も、日々の業務に潜む無駄や非効率を洗い出し、さまざまな仕組みの見直しを継続しています。
過去から続く商習慣を当然のものとして受け入れるのではなく、必要なものと不要なものを見極め、小さな改善を毎日積み重ねていく。その継続こそが、同業他社には容易に模倣できない当社の競争力につながっていると自負しています。
そこで生み出した効率化の成果を、会社の内部だけにとどめるのではなく、手数料の抑制やサービス品質の向上という形で、お客さまに還元することが当社の基本方針です。
少数精鋭の組織であっても、テクノロジーと人の力を適切に組み合わせることで、より便利で質の高いサービスを、適正な手数料で提供し続けることができると考えています。
私たちが上場を目指すのも、会社を大きく見せるためではありません。また、規模の拡大そのものを目的としているわけでもありません。
上場を目指す過程を通じて、経営の透明性を高め、ガバナンスおよびコンプライアンス体制をより一層強化し、社会から長く信頼される企業になることが目的です。そして、私たちが大切にしてきたサービスを、将来にわたって安定的に提供できる経営基盤を築いていきたいと考えています。
その取り組みの一環として、当社では将来的に、従業員を対象としたストックオプション制度の導入を目指しています。
これは、単なる福利厚生や報酬制度の一つとして導入するものではありません。従業員一人ひとりが会社の成長を自らの成長として捉え、真の意味で会社と一体となって事業を推進するための仕組みにしたいと考えています。
従業員という立場に加え、将来的に株主として会社の未来をともにつくる機会を持つことで、一人ひとりがこれまで以上に広い視野と責任感を持ち、日々の業務に向き合う組織をつくっていきたいと思っています。
会社の成長によって得られる成果をともに分かち合う一方で、企業価値の向上に対する責任も共有する。従業員一人ひとりが会社の未来を担う当事者として、より大きな責任と健全な緊張感を持って業務を推進する。そのような組織こそが、持続的な成長を実現できると信じています。
もちろん、株主としての意識を持つことは、目先の利益だけを追求することではありません。
お客さまやお取引先さま、そして社会に対して誠実であることを土台とし、中長期的な視点から会社の信用と価値を守り、育てていくことが重要です。その価値観を全従業員で共有し、それぞれが経営に参画する意識を持って行動できる会社を目指してまいります。
上場は、私たちにとって【ゴール】ではありません。
会社と従業員が同じ方向を向き、より多くの皆さまから信頼され、継続的に社会へ価値を提供していくための、新たなスタートであると捉えています。
今後は、経営の透明性をさらに高めるとともに、ガバナンスおよびコンプライアンス体制の強化、人材の育成、サービス品質の向上に、これまで以上に真摯に取り組んでまいります。
そして、お客さまやお取引先さま、従業員、株主・投資家の皆さまをはじめ、当社に関わるすべての方々から信頼いただける企業を目指します。
企業の価値は、掲げる言葉の大きさや、事務所の広さ、従業員数といった外形だけで決まるものではありません。日々の行動と、積み重ねてきた実績、そして社会に対してどのような価値を生み出したかによって示されるものだと考えています。
私たちはこれからも、目の前の課題に一つひとつ誠実に向き合い、過去の常識や商習慣にとらわれることなく、改善と挑戦を続けてまいります。
会社の規模ではなく、生み出す価値によって評価される企業であること。
効率化によって生まれた成果を、お客さまへ還元すること。
そして、全従業員が会社の未来を担う当事者として、責任を持って成長を支えていくこと。
これらを当社の変わらぬ方針として、着実に歩みを進めてまいります。
引き続き、スマートヘッジ株式会社へのご理解とご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
スマートヘッジ株式会社
代表取締役 沢田 知規